私達の暮らしと道路

「私達の生活にとって”整備された道路”というのは切り離せない”生活の一部”となっています。
東京、放射5号線と八王子市南浅川町を結ぶ全長約33㎞に渡る都市計画道路建設は、現在、府中市から国立市谷保までの1.3㎞に渡る道路延長事業計画に入りました。この道路は府中市内から谷保までの区間だけで総工費が300億円。うち用地買収費用として、その3分の2にあたる200億円が計上されております。放射5号線と三鷹市内を結ぶ道路工事に関しては、この区間だけで総工費が410億円。うち、用地買収費用が380億円に上る事が調べによって明らかになりました。
これらの工事に関わる費用はすべて東京都と国が負担しなければなりません。つまり、使われているのは私達の税金です。また、国立市のさくら通りへと結ぶ別の事業計画も予定されています。
総工事費は更に膨らむ可能性が出てきました。昨年、3月11日に発生した未曾有の大災害、東日本大震災の人的復興もまだまだ始まったばかりです。また、東京都の財政状況を考えた場合、本当に必要とする道路を造らなければならないのは何処なのでしょうか?道路だけではありません。津波によって流されてしまった東北から茨城県沿岸部までの護岸や、港湾整備が必要な箇所は数えきれない数になっています。不要不急の税金の持ち出しに私達は異議を唱えるべきではないのでしょうか?環境面での不安を指摘する声も沢山上がっております。道路は拡張すれば交通量が増えます。この事業計画が始まることにより、それまでに築かれた地域のコミュニティーが壊され、分断されます。近年、高齢者の方達がこの地域でもだいぶ増えて参りました。幅、40m近い幹線道路を体の不自由な高齢者の方達が横断をする時には決死の覚悟です。青信号一回ではとても渡りきれません。

また、府中市内の公立中学校の校庭を大きく削り取らなければならないという計画も含まれており、この学校に通学をする児童の父母からも安全面を指摘する声が高まっております。近年、呼吸器疾患と生活環境との因果関係が広く取り沙汰されておりますが、この道路が建設されることによって、交通量が今の4倍近くになるという試算があります。仮に交通量が4倍になれば、交通公害もそれに比例し4倍に増えます。長年この問題(東八道路建設)に取り組まれている住民の方のお話によると、
『この道路が建設される事になると200世帯が強制立ち退きを余儀なくされ、残された方達のコミュニティーが壊されてしまう。いま、ここに道路を建設するよりも道路建設に充てる予算を被災地支援に使うべきだ。もし道路を造るのであれば生活道路の改善を優先し、歩道と自転車専用道路などの拡充に力を入れるべき』と話されておりました。
 
私達の暮らしには道路は必要です。しかし、この不要不急という中で必ずしも造らなければならないという理由は私達の暮らしの中からは見つける事が出来ませんでした。国や東京都が強制的に用地を取得する費用も全て税金が使われています。私達が望んでいない道を国や都は強制的にそこで暮らす人達の暮らしを奪い、排除し、建設を急いでいます。税金の使い道、私達一人一人が真剣に考えなければならないのではないでしょうか?

過去に”東京大気汚染公害訴訟”という裁判もありました。幹線道路と幹線道路を結び、トラックなどの往来が激しい激甚交差点がその原因とされました。大型車による交通量が増えた為、その交差点の内側に暮らす人達が気管支喘息や肺気腫などの病を発症してしまいました。これを受け住民側は原告となり、国や東京都、それから自動車メーカー7社に対して訴えを起こしました。東京地裁は原告側に非喫煙者が多く、また気管支喘息などの交通公害が起因する因果関係の強い呼吸器疾患が多く認められた事等を受け、11年という長い歳月を費やし争われた裁判でしたが、東京高裁101号法廷は2007年8月8日に被害者救済措置として被告側に原告との和解を勧告致しました。
和解内容に関しては原告側の要求を被告側が100%承認する結論に至っている事などから、原告側の全面勝訴という見方がされています。この裁判には延べ633名の原告の方達がおりましたが、結審するまでに108名の方がお亡くなりになりました。
 
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by no_nukes2011 | 2012-01-13 08:53
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